エミュレーター特集 Vol.1『起動編』
というわけでいよいよ創刊したGX(注1)だが、創刊号に載せる特集記事ということで、話題性に富み、インターネットならではの側面を持ち、何より紙媒体では取り上げにくい(注2)ものを選んだ。すなわちエミュレーターである。
よくご存じの読者も多いと思うが、まず簡単にエミュレーターとは何かの説明をさせていただく。大雑把にいえば、コンピューターを別の種類のコンピューターであるかのように振る舞わせるプログラムのことである。つまり、PSエミュレーターというのは、コンピューターにPSのモノマネをさせるプログラムということになる。
さて、今回は論より証拠(注3)、百聞は一見にしかずというわけで、とりあえず体験してみよう。さて、webでご覧の方には、ノートPCで「メタルギアソリッド」を起動させている写真が掲載されているはずだ。スペックはCPUがceleron300MHz、メモリ96MBとデスクトップならばエントリーレベル以下(注4)である。だが、そこそこ動くので、是非お試しいただきたい。
最低限用意するものは、Windowsが動作するPCとエミュレーターソフトの「bleem!」そしてPSのソフトである。ジョイパッドなどもあると便利だが、キーボードだけで遊ぶことも可能だ。体験版を動かすことを目標にするので、お金は必要ではない。
それでは、まずbleem!公式サイト(http://www.bleem.com/)からデモ版をダウンロードしてこよう。英語ページだが、上のメニューの「DOWNLOAD」→左のメニューの「bleem!DEMO」→一番下の「bleem!
World」と進むだけなので、問題ないだろう。これでzip圧縮(注5)されたデモ版が手に入るはずだ。
これを解凍ツール(注6)で解凍すれば、それだけでOKである。CD-ROMドライブにPSソフトを入れ、実行ファイルをダブルクリックしよう。途中、宣伝めいたダイアログが表示されるが、焦らずに「OK!
I've read the disclaimer!」をクリックすれば大丈夫だ。完全に動作するわけではないが、60%以上(注7)のPSソフトが遊べるので、初めての人はかなり驚くのではないだろうか。
さて、ここまでだと普通の入門編だが、GXではこの先(注8)までやる。日本語パッチをあてよう(注9)。Musuke's
PICKUP(http://member.nifty.ne.jp/musuke/)にあるものがお薦めだ。バージョンによってダウンロードするファイルが違うので、その点にだけ注意しよう。これで、日本語環境になるので、ジョイパッド設定も楽々だ。
このように、ある程度の性能であるエミュレーターだが、各ハードウェアメーカーは訴えたり、警告をしたりしている。来週は、エミュレーターはどこまでが違法なのか、そのあたりについてまじめな話をしてみたい。
(注1)GAMERS EXPRESSの略称。AXを意識してつけたわけではないらしい。
(注2)理由は主に3つ。1.コンピューターやインターネットに詳しいライター・編集
者がいない。2.状況が時々刻々と変化するので、報道したときにはもう古くなっている。3.CESAやSCEや任天堂が怖い。GXも3.だけあてはまる。
(注3)ロンよりショーコ((c)SETA)ではない。
(注4)これより下のレベルのマシンを使っている人たちを馬鹿にしている言葉の1つ。同様の意味を持つものとして、必要動作環境、推奨動作環境などがある。
(注5)海外での一般的な圧縮形式の1つ。日本ではlzhが標準。普通の人は、この2つを知っておけばOKだが、アンダーグラウンドで生きていくためには、cab、rar、yz1、arj、tar・・・など様々な形式を見極める必要がある。一種のヘンタイといえよう。
(注6)普通はlhasaなどを使うが、注5のようなヘンタイは、らるち〜などを使用する。当然、私も愛用している。
(注7)微妙な数字。ほとんどとは言えないが、かなり期待してしまう数字だ。この降水確率だと、傘を持っていくことが多いのではないだろうか。
(注8)法律上でのグレーゾーンまで。それより先はさすがに手が後ろに回りかねないので書けない。
(注9)海外製のソフトの英語表記を、日本語表記にしてしまう改造ソフトを使うこと。あまりほめられた行為ではないが、便利。
|